Prologue
0*/31 PM10:55_夢跡図書館・大広間にて
ここに、1冊の本がある。
「次元戦争」
そう表紙に書かれた、絵もないこの本は、
小説でも、創作でもなく、
ただ、そこに置いてあった。
正体は、消された歴史。
普通なら、誰の目にもふれることのない、そんな歴史。
…人々は、戦争をした。
世界の持てる、全ての力を使って。
他の世界と、次元を越えて。
「んー、つーわけで、これだ」
「…なんだ?そのカード」
1*/31 PM10:58_ペガサスロッジ・1012号棟にて
『さぁ、今日の気まぐれラジオもそろそろ折り返し地点です!』
「おい、折り返し地点だってよ」
「バカですねぇ~あざらしさんは~」
「………」
「このラジオは、朝まであるんですよ?」
「…あ」
「そ、つまり、ここからが長いんです」
「…なるほど………」
「本当は、全然折り返しじゃないんですが、それを指摘したらKYになります」
「…大変なんだな…」
『さて、ここで私、知り合いに宣伝を頼まれてしまいました~』
「「………宣伝?」」
『私の知人…「とらんし」って言うんですけどね?』
「!?」
「あいつか…ならば、内容は…」
「…新しい夢幻?」
『「総員に告ぐ。指定日時に、戦場に集結せよ」だそうです』
「…指定日時?」
「戦場………?」
ピンポーン
「あ、はーい」
ガチャ
「すみませーん、ここ、Maoさんのお宅でしょうか?
「え、あ、そうですけど」
「これ、宅配便です。サインお願いします」
「あ…どうも」
「…なんだろ…!?」
「おい、どうした…!…これは…」
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集結時間は2日の1300。
戦場ってのは…お前らなら分かるはずだ。
まあ、念の為言っとくと、
「戦場ですることは戦争」だ。
トランシ
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「…2日の…13時…?」
「場所は…おそらく風凪の丘だ」
「なんで…?」
「…俺たちがした戦争といえば?」
「…あ…!!」
2*/31 PM11:02_リューク。自宅・リビングにて
「討ち取ったりぃぃぃぃぃぃ!!!」
「…どーしたのさリューク」
「へっ!Syouにカレー押しつけてやったぜ!!」
「おお!すごい!」
「これであと29日分だ!」
「おお………すごい………」
「ん、何さその手紙」
「トランシから招待状。なんかめんどくさそう」
「あんたは行くの?」
「どうだろ。ちょっと今回は予定が合わないかも」
「…why?」
「そんな毎回毎回『腹痛』と『インフルエンザ』で休めるかっつーの」
「ああ、それは言えてる」
「私はどうしよっかなー」
「あれ、悩んでるの?」
「うん。ブランクあるし」
「まだ、交渉が、ね」
「…交渉?」
「お前が知る必要はない。てか、誰も知る必要はない」
- 最終更新:2011-07-31 10:33:42